2010年2月4日の株式注目情報

1月14日のツガミ(東1・6101)に続いて、先週の金曜日にはファナック(東1・
6954)が業績見通しの修正を実施しました。急激な需要消失で惨憺たる状況だっ
た工作機械業界にも、燭光らしきものが出始めています。ここまでは中国やア
ジアでの需要を手がかりに、全般に修復高のような動きでしたが、ここからは
個別銘柄ごとの受注状況を見ながら、回復度合いにも優劣が出てきます。

マシニングセンター大手の牧野フライス製作所は、2009年12月の月次受注が海
外向けで前年同月比11.5%増とプラスに転じました。これは、小型精密旋盤が
好調なツガミ(同6倍)ほどの急回復ではありませんが、大型機械主力で回復
のきっかけをつかめない東芝機械(東1・6104、同64.5%減)などに比べると、
明るさが出てきたといえます。

上半期に欧州向け出荷を開始した航空機用金属チタンの加工機械や、この第3
四半期に発売したLED(発光ダイオード)用小型精密工作機械など、新製品の
投入も注目される材料です。

先週の金曜日に発表された10年3月期第3四半期(09年4月~12月)決算は、
100億円超の営業赤字。通期の営業赤字140億円見通し(変更なし)でしたが、
これは受注状況から見て想定線といっていいでしょう。

昨年末からの株価急伸によって信用売り残が急増しており、信用倍率が0.5倍
という水準で拮抗している需給関係も、短期的な人気を刺激する可能性があり
ます。

また、来週9日には日本工作機械工業会が1月の受注状況を発表するため、こ
のグループ全体に、回復期待を受けた人気が高まりを見せるでしょう。