株式市場に影響を及ぼしたニュース報道 2006年3月 日銀、量的緩和解除

≪日経平均株価/始値1万5,964円→1万7,059円≫

懸念されていた量的緩和は10日に解除されました。それにより、短期的な不安
がなくなり、株価は大きく上昇しました。さらに国土交通省が23日、東京、大
阪、名古屋の三大都市圏商業地の公示地価(06年1月1日時点)が、15年ぶり
に上昇に転じたと発表。「大卒採用来春21%増」など、景気拡大が実感できる
ニュースが豊富だったのもこの月の特徴です。その結果、日経平均は1万7,000
円の大台を突破しました。

新興市場も、東証マザーズ指数が、3日の1,664ポイントから3月末には1,913
ポイントまで上昇するなど、マーケット参加者の間に楽観ムードが漂っていた
といえます。

しかし、そうしたニュースの裏で、懸念すべき点もありました。海外では、前
年2倍以上上昇したサウジアラビア株が、この時点で20%以上下落。石油ブー
ムで資金があふれ、企業利益が過去最高を記録する中、投資が「娯楽」となり、
世界的な資金の流れに変化が見え始めていたのです。